ドッグフード人の食べ物には「食品衛生法」、また人間の食料となる家畜の飼料には「飼料安全法」などがあり、それぞれ安全を守るための法律がある。しかし、ペットの餌となる食料には法規制がなかった。現在、犬や猫の食べ物は、人間の残り物を与える人は少数となり、市販のペットフードだけを食べる飼い犬は7割、猫は8割となり、ペットフードの安全を求める声は多くあった。

そうしたことを背景に、犬と猫のペットフードに安全基準を設ける「ペットフード安全法」が、この6月から施行される。この法律で、ペットフードを扱うメーカーや輸入業者は国に届け出が必要となり、農薬や添加物などで有害物質が基準値を超えた場合は、国から回収命令、廃棄命令を受けることとなる。しかし、農水省、環境省とも、それに対する人員手配や広報活動予算も少なく、不安は高い。

これまでと比べれば、初めて法律が出来たことで一歩も二歩も前進ではあるが、実際の検査体制が整わなければ意味がない。人間の食料の法整備が出来ていても、事故米騒動や農薬混入餃子事件など数々の問題が起きていた。アメリカでも、ペットフードによる犬や猫が死ぬ事件が報道されていたが、この問題に各方面で関心を持ち、実効が上がるように監視していかなくてはならないだろう。