地域ぐるみで野良猫に去勢手術をし、継続的に管理することで野良猫が増えないようにする「地域猫」について考えるシンポジウムが17日、亀山市総合保健福祉センターで開かれた。

弁護士や獣医師、地域猫活動に取り組むNPO法人の代表ら6人がパネリストとして参加。野良猫が地域にすみ着くことによるふんの害や発情期の鳴き声などに悩む住民がいる一方で、保健所に引き取られ、殺処分される猫が増えている現状が紹介された。

野良猫を保護し、去勢手術を受けさせるなどの活動をしているNPO法人グリーンネット(鈴鹿市)の武藤安子代表は「地域猫活動は時間がかかり、すぐに効果が表れないため、なかなか住民から理解が得られない」と苦悩を打ち明けた。

パネリストは殺処分を避け、地域猫を推進するための解決法について議論。「保健所が殺処分を減らし、もっと積極的に引き取り手を探す」「保健所の引き取りについて県が明確な基準を設ける」などの意見が出され、パネリストたちは「動物の命を社会全体の問題としてとらえ、住民、行政、地域猫活動をするボランティアの3者が手を取り合うことが重要」と提言した。

(中日新聞2011.12.18日付)